若年者キーンベック病に対して橈骨短縮骨切り術を行った1例
15歳女性.1年程前からバレーボール後に左手関節痛を自覚したが,安静にて症状が改善したため医療機関を受診しなかった.4か月前グランドゴルフで地面を強打した後から疼痛が増悪し,近医を受診した.単純X線像で骨傷を認めず,装具療法・安静を指示された.2か月後に疼痛の改善なく再診した.単純X線像で月状骨の圧潰を認め,ギプス固定を行うも,圧潰が進行し当院を紹介された.初診時,左手関節背側に圧痛を認め,握力は4kg(健側比22%)と低下,手関節可動域は背屈40°/掌屈10°と制限を認めた.単純X線像で月状骨の扁平化と分節化を認め,ulna varianceは-2.4mmで橈骨遠位骨端線は閉鎖していた.MR...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 3; pp. 508 - 511 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.69.508 |
Cover
Summary: | 15歳女性.1年程前からバレーボール後に左手関節痛を自覚したが,安静にて症状が改善したため医療機関を受診しなかった.4か月前グランドゴルフで地面を強打した後から疼痛が増悪し,近医を受診した.単純X線像で骨傷を認めず,装具療法・安静を指示された.2か月後に疼痛の改善なく再診した.単純X線像で月状骨の圧潰を認め,ギプス固定を行うも,圧潰が進行し当院を紹介された.初診時,左手関節背側に圧痛を認め,握力は4kg(健側比22%)と低下,手関節可動域は背屈40°/掌屈10°と制限を認めた.単純X線像で月状骨の扁平化と分節化を認め,ulna varianceは-2.4mmで橈骨遠位骨端線は閉鎖していた.MRIではT1,T2強調像ともに月状骨が低輝度を呈し,Lichtman分類stageⅢ-Aのキーンベック病と診断した.圧潰の進行を認めたため橈骨短縮骨切り術を行った.術後13か月で疼痛は著明に改善.握力:22㎏(健側比117%),手関節可動域:背屈80°/掌屈80°と改善し,MRIで月状骨のrevascularizationを認めた. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.69.508 |