環椎後弓欠損を伴った環軸椎亜脱臼の1例
症例は27歳女性.未熟児脳症による精神発達遅滞の既往があり5年前より両下垂足,3年前より手指巧緻運動障害が出現していたが放置されていた.6カ月前に自宅で転倒し,頚部痛及び歩行困難のため他院へ救急搬送された.単純X線像,CTにて頚椎奇形(環椎後弓欠損,歯突起骨,C2-7椎体癒合および椎弓奇形)に伴う環軸椎亜脱臼を認め,MRIにてC1/2レベルでの脊髄の圧迫,髄内高輝度変化を認めた.フィラデルフィアカラー装着し経過観察されていたが,症状の改善なく2カ月前に当科へ紹介された.環軸椎亜脱臼による頸部痛,四肢不全麻痺と診断し,ハローベスト固定後にMagerl法を用いた環軸椎後方固定術を施行し,C1/2椎...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 3; pp. 505 - 508 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2014
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.63.505 |
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Summary: | 症例は27歳女性.未熟児脳症による精神発達遅滞の既往があり5年前より両下垂足,3年前より手指巧緻運動障害が出現していたが放置されていた.6カ月前に自宅で転倒し,頚部痛及び歩行困難のため他院へ救急搬送された.単純X線像,CTにて頚椎奇形(環椎後弓欠損,歯突起骨,C2-7椎体癒合および椎弓奇形)に伴う環軸椎亜脱臼を認め,MRIにてC1/2レベルでの脊髄の圧迫,髄内高輝度変化を認めた.フィラデルフィアカラー装着し経過観察されていたが,症状の改善なく2カ月前に当科へ紹介された.環軸椎亜脱臼による頸部痛,四肢不全麻痺と診断し,ハローベスト固定後にMagerl法を用いた環軸椎後方固定術を施行し,C1/2椎間関節には腸骨移植を行った.ハローベストは12週間装着し,以後フィラデルフィアカラーを6カ月間装着した.術後1年3カ月の現在で四肢不全麻痺は残存しているが,頸部痛は改善し環軸関節の骨癒合を認めている. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.63.505 |