両側に発症した外傷性腓骨筋腱脱臼の1例

23歳,男性.ラグビー選手.プレー中に右足で踏ん張り受傷.前医では,足関節捻挫の診断であったが,当院初診時の単純MRIにて仮性嚢を確認でき腓骨筋腱脱臼の診断が可能であった.短腓骨筋腱の低位筋腹も認めていたが,Das De変法のみを施行した.術後2か月でラグビーに復帰していたが,1年後に逆の足関節を捻り受傷.単純MRIにて仮性嚢と短腓骨筋腱の低位筋腹,第4腓骨筋の破格も認める腓骨筋腱脱臼であった.右と同様のDas De変法に第4腓骨筋の切除も行った.術後2~3か月で競技に復帰し,再脱臼なくプレーを継続している.腓骨筋腱脱臼を発症する患者素因として短腓骨筋の低位筋腹や第4腓骨筋の存在,腱溝低形成な...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 4; pp. 712 - 715
Main Authors 野口, 幸志, 久米, 慎一郎, 大川, 孝浩, 志波, 直人, 中村, 周道, 後藤, 昌史, 江崎, 祐平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.712

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Summary:23歳,男性.ラグビー選手.プレー中に右足で踏ん張り受傷.前医では,足関節捻挫の診断であったが,当院初診時の単純MRIにて仮性嚢を確認でき腓骨筋腱脱臼の診断が可能であった.短腓骨筋腱の低位筋腹も認めていたが,Das De変法のみを施行した.術後2か月でラグビーに復帰していたが,1年後に逆の足関節を捻り受傷.単純MRIにて仮性嚢と短腓骨筋腱の低位筋腹,第4腓骨筋の破格も認める腓骨筋腱脱臼であった.右と同様のDas De変法に第4腓骨筋の切除も行った.術後2~3か月で競技に復帰し,再脱臼なくプレーを継続している.腓骨筋腱脱臼を発症する患者素因として短腓骨筋の低位筋腹や第4腓骨筋の存在,腱溝低形成など解剖学的変異が報告されている.手術療法としては軟部組織制動術であるDas De変法が主流となっているが,解剖学的変異への処置を行うかどうかは,術前・術中に脱臼素因を正確に評価し適切な処置を行う事が再発を防ぐ上で重要だと考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.712