Pasteurella multocidaによる人工膝関節置換術後感染の一例

症例は78歳女性.右人工膝関節置換術後1年経過時に,自宅で飼っている猫に右下腿遠位を咬まれ受傷した.2日後,右膝の腫脹と疼痛が出現し当科へ緊急入院となった.血液検査所見ではCRPの上昇,関節液所見では白血球数の上昇,糖値の低下を認めた.単純X線ではインプラントの緩みは認めなかった.以上から急性遅発性人工膝関節置換術後感染と診断し,同日緊急手術施行した.デブリドマンおよびインサート交換をし,持続洗浄を1週間施行した.術中の採取滑膜よりPasteurella multocidaが検出された.抗生剤投与を行いCRPは陰転化した.さらに6週間抗生物質を経静脈的に投与した.術後から1年現在,再発無く機能...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 2; pp. 203 - 205
Main Authors 髙田, 弘誠, 山部, 聡一郎, 吉野, 孝博, 岡元, 信和, 水田, 博志, 中村, 英一, 唐杉, 樹, 西岡, 宏晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.203

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Summary:症例は78歳女性.右人工膝関節置換術後1年経過時に,自宅で飼っている猫に右下腿遠位を咬まれ受傷した.2日後,右膝の腫脹と疼痛が出現し当科へ緊急入院となった.血液検査所見ではCRPの上昇,関節液所見では白血球数の上昇,糖値の低下を認めた.単純X線ではインプラントの緩みは認めなかった.以上から急性遅発性人工膝関節置換術後感染と診断し,同日緊急手術施行した.デブリドマンおよびインサート交換をし,持続洗浄を1週間施行した.術中の採取滑膜よりPasteurella multocidaが検出された.抗生剤投与を行いCRPは陰転化した.さらに6週間抗生物質を経静脈的に投与した.術後から1年現在,再発無く機能も受傷前まで回復している.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.203