当科における特発性脊髄硬膜外血腫の治療成績

特発性硬膜外血腫(以下SSEH)は突然の頚背部痛,進行性の麻痺を呈する比較的稀な疾患である.近年,MRIの普及とともに報告例は除々に増加している.今回われわれは当科にて治療を行ったSSEHの治療成績を検討し,若干の知見を得たので文献的考察を加えて報告する.症例は2003年4月から2014年7月までの9症例を対象とした.手術症例は7例,保存症例は2例であった.血腫部位は頸椎1例,頚胸椎3例,胸椎5例,であった.麻痺出現までの時間は平均2.5時間であった.麻痺出現から手術までの時間は平均7.9時間であった.手術症例では初診時,改良Frankel分類でB2~C1がD3~Eに改善,保存症例ではB2~C...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 3; pp. 457 - 461
Main Authors 信藤, 真理, 内藤, 正俊, 白地, 仁, 田中, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.457

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Summary:特発性硬膜外血腫(以下SSEH)は突然の頚背部痛,進行性の麻痺を呈する比較的稀な疾患である.近年,MRIの普及とともに報告例は除々に増加している.今回われわれは当科にて治療を行ったSSEHの治療成績を検討し,若干の知見を得たので文献的考察を加えて報告する.症例は2003年4月から2014年7月までの9症例を対象とした.手術症例は7例,保存症例は2例であった.血腫部位は頸椎1例,頚胸椎3例,胸椎5例,であった.麻痺出現までの時間は平均2.5時間であった.麻痺出現から手術までの時間は平均7.9時間であった.手術症例では初診時,改良Frankel分類でB2~C1がD3~Eに改善,保存症例ではB2~C1がEに改善した.麻痺症例は6時間以内に改善傾向を示し,麻痺が改善しないものに対しても麻痺発症から10時間以内の手術で良好な結果を得ることができた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.457