変形性肘関節症に対する鏡視下手術の治療成績

【目的】疼痛や可動域制限を有する変形性肘関節症に対する鏡視下手術の治療成績を検討すること.【対象と方法】対象は4例4肘で全例男性.手術時年齢は平均53.8歳(50~59歳),経過観察期間は平均18ヵ月(12~24ヵ月)であった.鏡視下に肘関節前方及び後方の増生した滑膜及び骨棘を切除した.4例中2例は直視下にPOL切除,尺骨神経前方移動術を追加した.検討項目はJOA肘スコア,可動域、職場復帰時期及び合併症とした.【結果及び考察】JOA肘スコアは術前平均79.5点(77.5~82.0点)から術後94.0点(91~100点)と改善を認めた.可動域は屈曲が術前平均101.3°(90~120°)から術後...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 3; pp. 567 - 569
Main Authors 根井, 吾郎, 梶山, 史郎, 松尾, 洋昭, 古川, 敬三, 馬場, 秀夫, 富田, 雅人, 米倉, 暁彦, 小関, 弘展, 滝田, 裕之, 尾﨑, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】疼痛や可動域制限を有する変形性肘関節症に対する鏡視下手術の治療成績を検討すること.【対象と方法】対象は4例4肘で全例男性.手術時年齢は平均53.8歳(50~59歳),経過観察期間は平均18ヵ月(12~24ヵ月)であった.鏡視下に肘関節前方及び後方の増生した滑膜及び骨棘を切除した.4例中2例は直視下にPOL切除,尺骨神経前方移動術を追加した.検討項目はJOA肘スコア,可動域、職場復帰時期及び合併症とした.【結果及び考察】JOA肘スコアは術前平均79.5点(77.5~82.0点)から術後94.0点(91~100点)と改善を認めた.可動域は屈曲が術前平均101.3°(90~120°)から術後130.0°(115~140°),伸展が術前平均-12.5°(-10~-15°)から術後-10.0°(0~-20°)と改善を認めた.職場復帰時期は術後平均1.5ヵ月であった.合併症として創の表層感染を1例に認めた.変形性肘関節症に対する鏡視下手術の有用性が報告されているが,内側に対する処置の方法については意見が分かれている.当院では必要に応じ内側の骨棘や尺骨神経に対する直視下処置を追加しており,比較的良好な治療成績が得られていた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.567