椎間板ヘルニアに対するコンドリアーゼ注入療法の有効性

椎間板ヘルニアに対する新しい治療法としてコンドリアーゼ注入療法が承認され,全国で使用されだしている.今回は注入後3か月での評価を行えた20例について,症状(JOABPEQおよびNRS評価)とMRI所見について評価し,その有効性について検討した.全例保存的治療を行ったが改善が得られず,従来ならば手術やむと考えられた症例を適応とした.注入後3か月評価では,MRIにおいてヘルニアの縮小が18例に認められた.症状的には下肢痛としびれについては比較的良好な改善が得られたが,腰痛が残存しやすい傾向が認められた.症状が改善しADLに支障無しが16例,何らかの支障ありが4例であった.全例で手術は回避できており...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 3; pp. 644 - 649
Main Authors 佐伯, 和彦, 川越, 麗, 瀧井, 穣, 矢野, 真太郎, 副島, 修, 密川, 守, 渡邊, 徳人, 内藤, 正俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.644

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Summary:椎間板ヘルニアに対する新しい治療法としてコンドリアーゼ注入療法が承認され,全国で使用されだしている.今回は注入後3か月での評価を行えた20例について,症状(JOABPEQおよびNRS評価)とMRI所見について評価し,その有効性について検討した.全例保存的治療を行ったが改善が得られず,従来ならば手術やむと考えられた症例を適応とした.注入後3か月評価では,MRIにおいてヘルニアの縮小が18例に認められた.症状的には下肢痛としびれについては比較的良好な改善が得られたが,腰痛が残存しやすい傾向が認められた.症状が改善しADLに支障無しが16例,何らかの支障ありが4例であった.全例で手術は回避できており,患者の満足度も良好であった.適正な適応を選択することで,椎間板ヘルニア治療の選択肢として有望であると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.644