Osgood-Schlatter病の遊離骨片の骨折の一例

Osgood-Schlatter病(OS病)の遊離骨片が,外傷にてさらに遊離し,膝屈曲障害を起こしたと思われる稀な例を経験した.16歳男性で,野球の練習中に走って,二塁ベースに右膝屈曲位で滑りこんだ.この際,右膝を打撲して膝は深屈曲位を強要され,歩行困難となった.4日後,整形外科医院からの紹介で受診した.脛骨粗面(TT)を中心に限局性の著明な腫脹と圧痛が存在した.膝は30°しか屈曲できず膝伸展位下肢挙上は不能であった.腫脹部から水血性液を穿刺した.X線ではTTが遊離していた.MRIでは,TTに出血を示す骨髄信号変化はなく,骨片には膝蓋腱が一部付着していた.紹介元の医院で,3年半前に右TT痛で受...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 907 - 910
Main Authors 安田, 廣生, 井原, 秀俊, 帖佐, 博文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Osgood-Schlatter病(OS病)の遊離骨片が,外傷にてさらに遊離し,膝屈曲障害を起こしたと思われる稀な例を経験した.16歳男性で,野球の練習中に走って,二塁ベースに右膝屈曲位で滑りこんだ.この際,右膝を打撲して膝は深屈曲位を強要され,歩行困難となった.4日後,整形外科医院からの紹介で受診した.脛骨粗面(TT)を中心に限局性の著明な腫脹と圧痛が存在した.膝は30°しか屈曲できず膝伸展位下肢挙上は不能であった.腫脹部から水血性液を穿刺した.X線ではTTが遊離していた.MRIでは,TTに出血を示す骨髄信号変化はなく,骨片には膝蓋腱が一部付着していた.紹介元の医院で,3年半前に右TT痛で受診した既往があり,当時のX線ではTTに遊離骨片が存在し,その像と比較すると今回の遊離骨片は高位にあった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.907