脊椎骨端異形成症による高度股関節変形に対し人工股関節置換術を施行した1例

症例 40歳男性【主訴】両股関節痛,両手巧緻運動障害,四肢末梢のしびれ【既往歴】脊椎骨端異形成症,【現病歴】2009年より両股関節痛出現,2010年末頃より悪化し,2011年2月当院受診となる.【初診時所見】両股関節痛のため歩行困難,股関節単純X線写真にて大腿骨頭の著明な変形を伴う末期変形性股関節症を認めた.また両手巧緻運動障害を認め,頚椎単純X線写真側面像にて環軸椎亜脱臼を認めた.【加療経過】頚髄症の悪化が危惧され,まず2011年4月,頚椎後方固定術(C0-C3)施行した.脊髄症症状の改善を待ち,同年9月Depuy社S-ROMステムを用いた左転子下骨切り併用人工股関節置換術施行,翌2012年...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 1; pp. 112 - 115
Main Authors 田口, 敏彦, 徳重, 厚典, 目, 昭仁, 武藤, 正記, 今釜, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2013
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.62.112

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Summary:症例 40歳男性【主訴】両股関節痛,両手巧緻運動障害,四肢末梢のしびれ【既往歴】脊椎骨端異形成症,【現病歴】2009年より両股関節痛出現,2010年末頃より悪化し,2011年2月当院受診となる.【初診時所見】両股関節痛のため歩行困難,股関節単純X線写真にて大腿骨頭の著明な変形を伴う末期変形性股関節症を認めた.また両手巧緻運動障害を認め,頚椎単純X線写真側面像にて環軸椎亜脱臼を認めた.【加療経過】頚髄症の悪化が危惧され,まず2011年4月,頚椎後方固定術(C0-C3)施行した.脊髄症症状の改善を待ち,同年9月Depuy社S-ROMステムを用いた左転子下骨切り併用人工股関節置換術施行,翌2012年1月同様に左転子下骨切り併用人工股関節置換術を行った.現在,両手巧緻運動障害も改善し,歩行訓練中である.【考察】脊椎骨端異型性症に伴う股関節変形は高度であり,強い内反股を呈するため,modular型ステムの使用が有用であり,術前からの3Dテンプレートが有効である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.112