整形外科受診後に重篤循環器疾患がみつかった2例

整形外科受診後,重篤循環器疾患が判明した2例を報告する.関節リウマチにて通院中の80歳女性.トイレ動作時に上腹部痛,腰痛を生じ,当院救急搬送.X線,MRI検査にて椎体骨折の所見.上腹部痛に対して,腹部超音波検査行うも,明らかな異常を認めなかった.安静にて腹痛,腰痛は軽快.3日後より咳嗽,発熱を認めたため,CT精査行ったところ,Stanford B型の急性大動脈解離を認めた.特に既往歴のない69歳男性.草刈り機使用後に右肩から胸部の痛みを生じ,徒歩で受診.X線にて明らかな骨傷認めず,筋挫傷と診断.疼痛による体動困難あり,入院安静指示するも,入院時検査中に心肺停止,救命できなかった.死亡後CTにて...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 4; pp. 900 - 903
Main Authors 末永, 英慈, 住吉, 康之, 髙田, 真一, 桑島, 海人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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Summary:整形外科受診後,重篤循環器疾患が判明した2例を報告する.関節リウマチにて通院中の80歳女性.トイレ動作時に上腹部痛,腰痛を生じ,当院救急搬送.X線,MRI検査にて椎体骨折の所見.上腹部痛に対して,腹部超音波検査行うも,明らかな異常を認めなかった.安静にて腹痛,腰痛は軽快.3日後より咳嗽,発熱を認めたため,CT精査行ったところ,Stanford B型の急性大動脈解離を認めた.特に既往歴のない69歳男性.草刈り機使用後に右肩から胸部の痛みを生じ,徒歩で受診.X線にて明らかな骨傷認めず,筋挫傷と診断.疼痛による体動困難あり,入院安静指示するも,入院時検査中に心肺停止,救命できなかった.死亡後CTにて急性心筋梗塞後の心破裂による心タンポナーデを認めた.整形外科受診時に,安静時痛,体動と関連しない疼痛,痛みの移動の訴えがある場合,重篤疾患の鑑別を念頭に置く必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.900