第5腰椎脱臼骨折保存治療後の側弯進行に対して後方矯正固定術を施行した1例

20歳女性,自殺目的で15階から墜落,ショックで当院搬送.診断は第5腰椎(以下L5)脱臼骨折,両側L1-5横突起骨折,L3スライス骨折.合併損傷は左大量血胸,左多発肋骨骨折,腹腔内出血,脾損傷,左腎損傷,右股関節前方脱臼,右大腿骨骨幹部骨折,左上腕骨骨幹部骨折,左橈尺骨骨折であった.緊急動脈塞栓術,脾摘,観血的股関節脱臼整復,大腿骨直達牽引及び大量輸血で循環動態は落ち着いた.第6病日に四肢外傷に対して観血的骨接合術を行い,脊椎損傷は全身状態の回復を待ち手術予定とした.しかしその後多臓器不全となったため保存治療とした.全身状態は徐々に回復し,第93病日にリハビリ目的で転院となった.転院時には右凸...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 1; pp. 128 - 131
Main Authors 西, 竜一, 我謝, 猛次, 杉浦, 由佳, 金城, 健, 粟国, 敦男, 上原, 敏則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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Summary:20歳女性,自殺目的で15階から墜落,ショックで当院搬送.診断は第5腰椎(以下L5)脱臼骨折,両側L1-5横突起骨折,L3スライス骨折.合併損傷は左大量血胸,左多発肋骨骨折,腹腔内出血,脾損傷,左腎損傷,右股関節前方脱臼,右大腿骨骨幹部骨折,左上腕骨骨幹部骨折,左橈尺骨骨折であった.緊急動脈塞栓術,脾摘,観血的股関節脱臼整復,大腿骨直達牽引及び大量輸血で循環動態は落ち着いた.第6病日に四肢外傷に対して観血的骨接合術を行い,脊椎損傷は全身状態の回復を待ち手術予定とした.しかしその後多臓器不全となったため保存治療とした.全身状態は徐々に回復し,第93病日にリハビリ目的で転院となった.転院時には右凸Cobb角15度(L1/4)であった側弯が,受傷11ヶ月後には40度に増悪したため後方矯正固定術を行った.術後7ヶ月経過した現在,instrument failureなく,矯正を維持しており経過良好である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.128