腸骨に発生したDedifferentiated Peripheral Chondrosarcomaの1例

骨軟骨腫に続発する脱分化型軟骨肉腫は非常にまれである.今回高齢者の腸骨に発生した症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.以前より多発性骨軟骨腫と診断されていた.2年前より左臀部に腫瘤を認めるようになり,近医にて血腫と診断され,複数回穿刺を受けていた.その後腫脹が増大し,疼痛を伴うようになったため当科を受診した.単純X-Pでは左腸骨の骨軟骨腫を認め,MRIでは腫瘍の一部に肥厚した軟骨帽の存在と連続する軟部腫瘤を認めた.また内部に嚢胞性変化が認められた.切開生検施行するも悪性腫瘍を確認できなかったため,骨軟骨腫周囲の滑液胞炎も考慮し,辺縁切除術を施行した.しかし術後の病理組織では骨軟骨腫に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 1; pp. 170 - 174
Main Authors 濱田, 哲矢, 平岡, 弘二, 松田, 光太郎, 原, 光司, 志波, 直人, 長田, 周二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.170

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Summary:骨軟骨腫に続発する脱分化型軟骨肉腫は非常にまれである.今回高齢者の腸骨に発生した症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.以前より多発性骨軟骨腫と診断されていた.2年前より左臀部に腫瘤を認めるようになり,近医にて血腫と診断され,複数回穿刺を受けていた.その後腫脹が増大し,疼痛を伴うようになったため当科を受診した.単純X-Pでは左腸骨の骨軟骨腫を認め,MRIでは腫瘍の一部に肥厚した軟骨帽の存在と連続する軟部腫瘤を認めた.また内部に嚢胞性変化が認められた.切開生検施行するも悪性腫瘍を確認できなかったため,骨軟骨腫周囲の滑液胞炎も考慮し,辺縁切除術を施行した.しかし術後の病理組織では骨軟骨腫に続発した脱分化型末梢性軟骨肉腫と診断された.本疾患は骨軟骨腫から発生した二次性軟骨肉腫の約5.5%の発生と報告され非常にまれではあるが,骨軟骨腫に連続する軟部腫瘍では鑑別として考慮する必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.170