陳旧性肩関節後方脱臼骨折の1例

【はじめに】肩関節後方脱臼は稀な外傷である.我々は陳旧性肩関節後方脱臼骨折に対して人工骨頭置換術を施行した1例を経験したので報告する.【症例】76歳 女性 交通事故にて受傷.疼痛と挙上,外旋可動域の改善がないため受傷後3か月で紹介となり,XpとCTで肩関節後方脱臼骨折と診断した.当初,手術希望なく受傷後9か月で人工骨頭置換術を施行した.手術では関節周囲の癒着が強く,上腕骨の前方引き出しが困難であった.また,外科頚部は骨硬化が生じており,stem挿入に難渋した.【考察】肩関節後方脱臼は初診時の誤診率の高い疾患である.今回,受傷後9か月で手術を行ったが手技は困難であった.初診時の誤診を避けるために...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 3; pp. 622 - 624
Main Authors 伊崎, 輝昌, 三宅, 智, 戸田, 慎, 内藤, 正俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.622

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Summary:【はじめに】肩関節後方脱臼は稀な外傷である.我々は陳旧性肩関節後方脱臼骨折に対して人工骨頭置換術を施行した1例を経験したので報告する.【症例】76歳 女性 交通事故にて受傷.疼痛と挙上,外旋可動域の改善がないため受傷後3か月で紹介となり,XpとCTで肩関節後方脱臼骨折と診断した.当初,手術希望なく受傷後9か月で人工骨頭置換術を施行した.手術では関節周囲の癒着が強く,上腕骨の前方引き出しが困難であった.また,外科頚部は骨硬化が生じており,stem挿入に難渋した.【考察】肩関節後方脱臼は初診時の誤診率の高い疾患である.今回,受傷後9か月で手術を行ったが手技は困難であった.初診時の誤診を避けるためには受傷機転の聴取や外旋制限を見逃さないことが大切である.また,X線像での,half-moon sign,positive rim sign,light-bulb sign,Though line sign等に精通しておく必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.622