マンモグラフィ(MMG)と乳房超音波(US)による併用検診での総合判定基準について

MMGとUSを併用した乳癌検診が,任意型検診を中心に広まりつつある。それぞれの所見を別々に判定するより,総合的に判定し最終結果を決定することによって,感度の上昇とともに要精検率を低下させることが可能である。そこで,日本乳腺甲状腺超音波診断会議の検診班では,総合判定基準について討論している。今回,その案について報告する。まず腫瘤については,境界明瞭平滑あるいは評価困難な腫瘤については,US所見を優先,微細分葉状以上の腫瘤については,MMGを優先することとする。局所的非対称性陰影については,USで正常乳腺と判断できれば精査不要,正常乳腺と判断できないあるいは部位を特定できなければ要精査(カテゴリー...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 20; no. 3; p. 160
Main Authors 大貫, 幸二, 角田, 博子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 2011
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.20.160

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Summary:MMGとUSを併用した乳癌検診が,任意型検診を中心に広まりつつある。それぞれの所見を別々に判定するより,総合的に判定し最終結果を決定することによって,感度の上昇とともに要精検率を低下させることが可能である。そこで,日本乳腺甲状腺超音波診断会議の検診班では,総合判定基準について討論している。今回,その案について報告する。まず腫瘤については,境界明瞭平滑あるいは評価困難な腫瘤については,US所見を優先,微細分葉状以上の腫瘤については,MMGを優先することとする。局所的非対称性陰影については,USで正常乳腺と判断できれば精査不要,正常乳腺と判断できないあるいは部位を特定できなければ要精査(カテゴリー3),病変を確定できればUS所見を優先する。石灰化に関しては原則としてMMG所見を優先する。構築の乱れについてはカテゴリー4以上の場合MMG所見を優先する。この判定基準は最初の提案であり,コンセンサスの得られたものではない。しかし,総合判定は併用検診受診率が上昇した場合,精密検査機関の負担を低減させることにもなり,今後,さらに検討を重ね,よりよい判定基準を作成していく必要があると考えている。(日本乳腺甲状腺超音波診断会議http://www.jabts.net/)
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.20.160