下腿・足関節・足部の骨折治療後の術後感染症例のリスク因子の検討と臨床的特徴

【目的】骨折治療において術後創部感染症は大きな合併症であり,特に下肢骨折はリスクが高いといわれている.今回当院で行った下腿・足関節・足部の骨折手術症例を対象とし術後感染リスク因子と臨床的特徴を検討した.【方法】2013年4月から2019年3月までの当院で行った下腿から遠位の骨折観血的手術症例234例を対象に,感染例・非感染例に分けて患者背景,術前合併症,手術時間・出血量などについて比較・検討した.感染例は,術後感染が疑われ,かつ培養陽性のものと定義した.【結果】術後感染は234例中10例(4.3%)であった.有意差があったのは「男性」のみであった(P=0.0273).一般的に術後創部感染のリス...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 3; pp. 466 - 468
Main Authors 名取, 孝弘, 吉田, 裕俊, 吉武, 孝次郎, 中家, 一寿, 松原, 弘和, 福元, 真一, 岡本, 重敏, 柴原, 啓吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.466

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Summary:【目的】骨折治療において術後創部感染症は大きな合併症であり,特に下肢骨折はリスクが高いといわれている.今回当院で行った下腿・足関節・足部の骨折手術症例を対象とし術後感染リスク因子と臨床的特徴を検討した.【方法】2013年4月から2019年3月までの当院で行った下腿から遠位の骨折観血的手術症例234例を対象に,感染例・非感染例に分けて患者背景,術前合併症,手術時間・出血量などについて比較・検討した.感染例は,術後感染が疑われ,かつ培養陽性のものと定義した.【結果】術後感染は234例中10例(4.3%)であった.有意差があったのは「男性」のみであった(P=0.0273).一般的に術後創部感染のリスクと言われる「糖尿病」などでは今回有意差が見られなかった.感染例では足関節骨折が最も多く,原因菌は黄色ブドウ球菌が最も多かった.【考察】有意差の出た術後感染リスク因子は「男性」のみであった.部位別では足関節が最も術後感染リスクが高かった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.466