当館にて手術治療を行った骨盤輪・寛骨臼骨折患者における患者立脚型の機能評価

【対象と方法】骨盤部骨折に対して手術が行なわれた14例を対象に受傷後2.3~5.7年の時点での患者立脚型の機能評価を実施した.骨折の内訳は骨盤輪骨折9例,寛骨臼骨折3例,骨盤輪寛骨臼合併骨折2例であった.各患者に対して日本語版Lower Extremity Functional Scale(LEFS)による評価を行った.LEFSは下肢が関わる動作20項目についての困難さを患者に回答してもらう質問から構成され,80点満点で80点が最良となる.【結果と結論】各骨折型におけるLEFSの平均点は骨盤輪骨折が54.1点,寛骨臼骨折70.3点,骨盤輪寛骨臼合併骨折56.5点と骨盤輪を含む骨折では得点が低い...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 1; pp. 150 - 156
Main Authors 塚本, 伸章, 前, 隆男, 川口, 謙一, 佛坂, 俊輔, 佐々木, 宏介, 加藤, 剛, 塩本, 喬平, 稲光, 秀明, 櫻木, 高秀, 桑原, 正成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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Summary:【対象と方法】骨盤部骨折に対して手術が行なわれた14例を対象に受傷後2.3~5.7年の時点での患者立脚型の機能評価を実施した.骨折の内訳は骨盤輪骨折9例,寛骨臼骨折3例,骨盤輪寛骨臼合併骨折2例であった.各患者に対して日本語版Lower Extremity Functional Scale(LEFS)による評価を行った.LEFSは下肢が関わる動作20項目についての困難さを患者に回答してもらう質問から構成され,80点満点で80点が最良となる.【結果と結論】各骨折型におけるLEFSの平均点は骨盤輪骨折が54.1点,寛骨臼骨折70.3点,骨盤輪寛骨臼合併骨折56.5点と骨盤輪を含む骨折では得点が低い傾向があった.屋内動作に関する項目では比較的高得点であったが,走るなど激しい動作に関しては困難である傾向があった.疼痛の強さとLEFSの得点には負の相関を認めた.骨盤外傷後の機能評価に既存の患者立脚型評価法の有用性が示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.150