変形性膝関節症における大腿骨内側顆および後顆部骨棘についての検討

大腿骨内側顆及び後顆の骨棘の病態と,その骨棘が内側側副靱帯(MCL)の偏位に及ぼす影響について検討したので報告する.症例は内側型変形性膝関節症94例100膝(男性7例,女性87例)とした.MRIを用いて内側顆,後顆の骨棘面積とMCLの偏位を計測した.また連続したスライスを観察して骨棘の位置及び形態による分類を行った.内側顆,後顆骨棘面積のいずれもMCLの偏位に相関を示した.骨棘の位置と形態による分類では内側顆群が8膝,内側顆,後顆共に骨棘を認める両顆群が92膝(骨連続性群18膝,骨連続性あり群74膝)であった.後顆のみに骨棘を認める症例は認めなかった.骨連続性あり群ではKellgren-Law...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 852 - 855
Main Authors 上杉, 勇貴, 王寺, 享弘, 碇, 博哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.852

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Summary:大腿骨内側顆及び後顆の骨棘の病態と,その骨棘が内側側副靱帯(MCL)の偏位に及ぼす影響について検討したので報告する.症例は内側型変形性膝関節症94例100膝(男性7例,女性87例)とした.MRIを用いて内側顆,後顆の骨棘面積とMCLの偏位を計測した.また連続したスライスを観察して骨棘の位置及び形態による分類を行った.内側顆,後顆骨棘面積のいずれもMCLの偏位に相関を示した.骨棘の位置と形態による分類では内側顆群が8膝,内側顆,後顆共に骨棘を認める両顆群が92膝(骨連続性群18膝,骨連続性あり群74膝)であった.後顆のみに骨棘を認める症例は認めなかった.骨連続性あり群ではKellgren-Lawrence分類grade IVの症例の割合が多く,MCL偏位も4.7mmと大きかった.以上の結果から,内側型膝OAの大腿骨側の骨棘は,内側顆,後顆の順に形成され,それらがやがて連続していくのではないかと推察された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.852