下肢関節周辺骨折に対するStaged Management

高エネルギー外傷による関節周辺骨折では粉砕骨折となりやすく,高度の軟部組織損傷を伴うことが多いため治療に難渋する.我々は,軟部組織損傷を伴う症例に対して一期的に創外固定を行った後,二期的に最終固定,あるいは段階的に固定を行い良好な結果を得ているので報告する.対象は下肢関節周辺の粉砕骨折10例で,大腿遠位部が2例,下腿近位部が4例,下腿遠位部が4例であった.まずは初回の緊急手術で創外固定を用いて骨折部を安定化させた.軟部組織の状態が回復した後,二期的にMIPO法を用いた最終固定を行った.また,皮膚欠損や骨欠損を伴い,二期的にMIPO法を行うには限界があると判断した症例にはイリザロフ創外固定器を使...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 1; pp. 67 - 71
Main Authors 福島, 達也, 崎村, 幸一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2010
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.59.67

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Summary:高エネルギー外傷による関節周辺骨折では粉砕骨折となりやすく,高度の軟部組織損傷を伴うことが多いため治療に難渋する.我々は,軟部組織損傷を伴う症例に対して一期的に創外固定を行った後,二期的に最終固定,あるいは段階的に固定を行い良好な結果を得ているので報告する.対象は下肢関節周辺の粉砕骨折10例で,大腿遠位部が2例,下腿近位部が4例,下腿遠位部が4例であった.まずは初回の緊急手術で創外固定を用いて骨折部を安定化させた.軟部組織の状態が回復した後,二期的にMIPO法を用いた最終固定を行った.また,皮膚欠損や骨欠損を伴い,二期的にMIPO法を行うには限界があると判断した症例にはイリザロフ創外固定器を使用した.感染やコンパートメント症候群などの重大な合併症を生じることなく,全例で骨癒合が得られた.創外固定を行った後に内固定に変更する方法は,軟部組織損傷を伴う関節周辺骨折に対し安全な治療法と思われる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.59.67