脊椎椎体骨折に対するテリパラチドdaily注射製剤を用いた治療の検討

近年,四肢の骨折難治症例にテリパラチドを応用した報告が散見される.今回,骨粗鬆性椎体骨折に本剤を応用した症例について検討した.対象は骨粗鬆性椎体骨折のうち,本剤を用いて治療した9患者で,肺疾患などでコルセット装着が困難な症例や偽関節症例などに用いた(T群).またコルセット装着のみで治療した8症例をコントロール(C群)とし,平均年齢,治療開始時の腰椎骨密度,罹患期間,骨癒合率と期間,隣接椎体椎体などを検討した.結果はT群はより高齢で,骨密度も低かった.さらに罹患期間と骨癒合に要した期間もT群で長かった.ただし隣接椎体骨折はT群で認知1例のみで,C群は2例に認めた.全ての項目で両群に統計学的有意差...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 3; pp. 402 - 406
Main Authors 岡, 和一郎, 有馬, 準一, 田中, 孝幸, 野村, 裕, 柳澤, 義和, 高野, 祐護, 新井, 貴之, 原田, 晢誠, 溝口, 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.402

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Summary:近年,四肢の骨折難治症例にテリパラチドを応用した報告が散見される.今回,骨粗鬆性椎体骨折に本剤を応用した症例について検討した.対象は骨粗鬆性椎体骨折のうち,本剤を用いて治療した9患者で,肺疾患などでコルセット装着が困難な症例や偽関節症例などに用いた(T群).またコルセット装着のみで治療した8症例をコントロール(C群)とし,平均年齢,治療開始時の腰椎骨密度,罹患期間,骨癒合率と期間,隣接椎体椎体などを検討した.結果はT群はより高齢で,骨密度も低かった.さらに罹患期間と骨癒合に要した期間もT群で長かった.ただし隣接椎体骨折はT群で認知1例のみで,C群は2例に認めた.全ての項目で両群に統計学的有意差は認めなかったが,T群はより高齢で低骨密度群,罹患期間も長かったため,骨癒合に時間を用したものと考えられた.ただし隣接椎体骨折に関しては従来の保存治療より隣接椎体骨折を予防できる可能性が示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.402