認知機能が回復期リハビリテーションを行った高齢骨折患者のADLに及ぼす影響

従来,認知障害はリハの阻害因子と報告されてきた.今回,認知障害の有無と重症度が,回復期リハを行った高齢骨折患者のADLに及ぼす影響を検討した.対象は,65歳以上で自宅在住の高齢骨折患者683名.ADLは,Barthel index(BI)で,認知機能は,改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)で評価・分類した.自立軽介助群(BI 60-100点)は自宅退院を可能にするADL能力と考えられているが,軽度認知障害(HDS-R 15-20点)では,回復期リハ入院時に減少していた自立軽介助群患者数が,非認知障害同様に,退院時には受傷前の患者数に改善した.軽度認知障害はリハの阻害因子とは考えにく...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 4; pp. 635 - 639
Main Authors 西村, 博行, 浦上, 泰成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.635

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Summary:従来,認知障害はリハの阻害因子と報告されてきた.今回,認知障害の有無と重症度が,回復期リハを行った高齢骨折患者のADLに及ぼす影響を検討した.対象は,65歳以上で自宅在住の高齢骨折患者683名.ADLは,Barthel index(BI)で,認知機能は,改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)で評価・分類した.自立軽介助群(BI 60-100点)は自宅退院を可能にするADL能力と考えられているが,軽度認知障害(HDS-R 15-20点)では,回復期リハ入院時に減少していた自立軽介助群患者数が,非認知障害同様に,退院時には受傷前の患者数に改善した.軽度認知障害はリハの阻害因子とは考えにくい結果であった.中等度および重度認知障害の退院時ADLは,受傷前への改善はみられなかったが,入院時に比べ,改善した.認知機能とADLの関係では,認知機能分類の順序にしたがって,ADLが変化した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.635