陳旧性肩関節前方脱臼の1例
72歳,女性.7年前に転倒後の右肩関節前方脱臼に対して保存的に加療された既往あり,その後再脱臼を認めなかった.今回,右側臥位で睡眠後に右肩の疼痛と拳上困難が出現したが自宅で経過をみていた.症状出現後11日目に近医を受診し,単純Xpで肩関節前方脱臼を指摘された.徒手整復困難であったため当科を紹介されたが,SLEの増悪に対する他院での入院治療を優先したため,症状出現後約3カ月で当科を初診した.初診時所見では,右肩関節可動域は屈曲70度,外旋30度,内旋Sレベル,単純Xpにて肩関節前方脱臼,CTにて大きなHill-Sacks損傷を認めた.症状出現後4カ月で人工骨頭置換術,前方関節唇修復術,肩甲骨関節...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 4; pp. 676 - 678 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2013
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.62.676 |
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Summary: | 72歳,女性.7年前に転倒後の右肩関節前方脱臼に対して保存的に加療された既往あり,その後再脱臼を認めなかった.今回,右側臥位で睡眠後に右肩の疼痛と拳上困難が出現したが自宅で経過をみていた.症状出現後11日目に近医を受診し,単純Xpで肩関節前方脱臼を指摘された.徒手整復困難であったため当科を紹介されたが,SLEの増悪に対する他院での入院治療を優先したため,症状出現後約3カ月で当科を初診した.初診時所見では,右肩関節可動域は屈曲70度,外旋30度,内旋Sレベル,単純Xpにて肩関節前方脱臼,CTにて大きなHill-Sacks損傷を認めた.症状出現後4カ月で人工骨頭置換術,前方関節唇修復術,肩甲骨関節窩前縁に切除骨頭を用いた骨移植術を施行した.術後10カ月で疼痛・再脱臼なく,右肩関節可動域は屈曲140度,外旋40度,内旋L3レベルで日整会肩関節疾患治療判定基準は術前15点から82点に改善した. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.62.676 |