中大脳動脈本幹穿通枝分岐部動脈瘤手術の問題点

中大脳動脈本幹(M1)の穿通枝(レンズ核線条体動脈:LSA)分岐部に発生する脳動脈瘤(AN)は比較的まれで報告も少ない5)10). この部の動脈瘤に対するapproachは比較的容易であるが, LSA領域に術後梗塞をきたす頻度が高く, 手術にさいし注意を要する脳動脈瘤のひとつであると思われる. われわれが経験した6例のM1-LSA ANについて検討し, 文献的考察を加え報告する. 過去6年間にわれわれが経験した脳動脈瘤に対するneck clipping術は504例で, 146例が中大脳動脈瘤であった. その中で中大脳動脈本幹穿通枝分岐部に発生した動脈瘤(M1-LSA AN)は6例で, 全脳動脈...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 26; no. 2; pp. 131 - 135
Main Authors 伊東山, 洋一, 藤岡, 正導, 栗野, 雅仁, 河野, 隆幸, 原, 毅, 古後, 佳生, 山本, 恵三, 生塩, 之敬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1998
日本脳卒中の外科学会
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Summary:中大脳動脈本幹(M1)の穿通枝(レンズ核線条体動脈:LSA)分岐部に発生する脳動脈瘤(AN)は比較的まれで報告も少ない5)10). この部の動脈瘤に対するapproachは比較的容易であるが, LSA領域に術後梗塞をきたす頻度が高く, 手術にさいし注意を要する脳動脈瘤のひとつであると思われる. われわれが経験した6例のM1-LSA ANについて検討し, 文献的考察を加え報告する. 過去6年間にわれわれが経験した脳動脈瘤に対するneck clipping術は504例で, 146例が中大脳動脈瘤であった. その中で中大脳動脈本幹穿通枝分岐部に発生した動脈瘤(M1-LSA AN)は6例で, 全脳動脈瘤の1.2%, 中大脳動脈瘤の4.1%を占めた. 症例のまとめをTable 1に示すが, この6例について検討を加えた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.26.2_131