光学式眼軸長測定装置OA-1000とIOLMaster®の比較

光学式眼軸長測定装置として2008年8月発売となったTOMEY製OA-1000試作器(以下OA)の測定精度をIOLMaster®(以下マスター)と比較検討した。対象はOA、マスター、イマージョン式AモードAL-3000(TOMEY製)、コンタクト式Aモードi-SCAN(OTI製)の4機種すべてで測定可能であった169眼中、1.同一術者による同一術式、2.ALCON製眼内レンズSA60ATを完全嚢内固定、3.角膜乱視2D未満、4.術後3ヶ月の経過観察で視力(0.7)以上、この4つの条件を満たした41眼である。OAについて、IOL度数計算はSRK/T式、A定数は未知数のため暫定的にメーカー推奨A定...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 38; pp. 227 - 234
Main Authors 氣田, 明香, 須藤, 史子, 島村, 恵美子, 大道, 千秋, 杉岡, 寛子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2009
日本視能訓練士協会
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Summary:光学式眼軸長測定装置として2008年8月発売となったTOMEY製OA-1000試作器(以下OA)の測定精度をIOLMaster®(以下マスター)と比較検討した。対象はOA、マスター、イマージョン式AモードAL-3000(TOMEY製)、コンタクト式Aモードi-SCAN(OTI製)の4機種すべてで測定可能であった169眼中、1.同一術者による同一術式、2.ALCON製眼内レンズSA60ATを完全嚢内固定、3.角膜乱視2D未満、4.術後3ヶ月の経過観察で視力(0.7)以上、この4つの条件を満たした41眼である。OAについて、IOL度数計算はSRK/T式、A定数は未知数のため暫定的にメーカー推奨A定数118.4を使用した。マスターについては最適化A定数118.9を使用した。OAはマスターと比較して測定不能率が高く有意差を認めた(p<0.05,χ2検定)。OAの眼軸長はマスターと高い相関を示し(r2=0.9992)、4機種による眼軸長の平均に有意差はなく、OAとマスターの術後屈折誤差についても有意差はなかった。OAパーソナルA定数は118.5であった。  OAはマスターと比べ測定精度に遜色ないが、両者のA定数には差がありOA専用にA定数の算出が必要である。また、OA試作器による測定不能率がマスターより有意に高かったことから、OA発売器での測定率の改善が求められる。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.38.227