人工膝関節全置換術における脛骨側非対称性コンポーネント設置の有用性:Zimmer PERSONAを用いた検討

【目的】人工膝関節全置換術(TKA)における脛骨側回旋アライメントに関して,非対称性コンポーネント設置の有用性を検討すること.【方法】対象は当科でZimmer社製インプラントを用いてTKAを施行した40膝で,対称性ベースプレートであるNexGen LPS-Flex 20膝(N群)と非対称性ベースプレートであるPERSONA 20膝(P群)を比較検討した.手術は骨切り面中央と脛骨粗面膝蓋腱内側1/3付着部を結ぶ前後軸(回旋軸)を指標とし,overhangが起きないようにコンポーネントを設置した.術後CTより作製した3次元モデルを用いて,設置位置を評価した.【結果】脛骨コンポーネントの設置位置は目...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 2; pp. 236 - 241
Main Authors 中川, 亮, 水内, 秀城, 田代, 泰隆, 村上, 剛史, 桑島, 海人, 濵井, 敏, 岡本, 重敏, 岩本, 幸英, 岡崎, 賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.236

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Summary:【目的】人工膝関節全置換術(TKA)における脛骨側回旋アライメントに関して,非対称性コンポーネント設置の有用性を検討すること.【方法】対象は当科でZimmer社製インプラントを用いてTKAを施行した40膝で,対称性ベースプレートであるNexGen LPS-Flex 20膝(N群)と非対称性ベースプレートであるPERSONA 20膝(P群)を比較検討した.手術は骨切り面中央と脛骨粗面膝蓋腱内側1/3付着部を結ぶ前後軸(回旋軸)を指標とし,overhangが起きないようにコンポーネントを設置した.術後CTより作製した3次元モデルを用いて,設置位置を評価した.【結果】脛骨コンポーネントの設置位置は目標とする前後軸に対してN群では3.5°±4.3°内旋(‐9.8°‐4.2°),P群では0.4°±3.4°内旋(‐6.6°‐5.1°)であった.理想範囲内(5°以内)設置の割合および内旋設置の割合はN群で55%/65%,P群で80%/35%であり,P群でアライメントの改善が認められた.【考察】対称性コンポーネントではoverhangを避けるよう設置すると,目標とする前後軸に対して内旋設置となりやすく,術後疼痛や拘縮膝の一因となりうる.PERSONAは解剖学的形状を考慮し適切なアライメントが得られるよう設計されており,本研究からも有用なことが証明された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.236