大腿骨転子部骨折の術後に二次骨折を繰り返した1例

short femoral nailを用いて大腿骨転子部骨折の内固定を行った後に二次骨折を繰り返した症例を経験したので報告する.症例は86歳,女性.認知症あり.自宅で転倒して左大腿骨転子部骨折(AO分類 31-A2)を受傷した.PFNAを用いて内固定を行ったが,術後10週でベッドより転落して同側の大腿骨骨幹部骨折(AO分類 32-A1)を受傷した.long PFNAを用いて内固定を行ったが,再手術後5週で再び転倒して同側の大腿骨遠位部骨折(AO分類 33-A2)を受傷した.髄内釘を残したままロッキングプレートを用いてMIPO法で骨接合を行い,最終的には良好な骨癒合が得られた.いずれの二次骨折も...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 1; pp. 187 - 188
Main Authors 崎村, 幸一郎, 中原, 信一, 衛藤, 正雄, 野村, 賢太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.187

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Summary:short femoral nailを用いて大腿骨転子部骨折の内固定を行った後に二次骨折を繰り返した症例を経験したので報告する.症例は86歳,女性.認知症あり.自宅で転倒して左大腿骨転子部骨折(AO分類 31-A2)を受傷した.PFNAを用いて内固定を行ったが,術後10週でベッドより転落して同側の大腿骨骨幹部骨折(AO分類 32-A1)を受傷した.long PFNAを用いて内固定を行ったが,再手術後5週で再び転倒して同側の大腿骨遠位部骨折(AO分類 33-A2)を受傷した.髄内釘を残したままロッキングプレートを用いてMIPO法で骨接合を行い,最終的には良好な骨癒合が得られた.いずれの二次骨折も骨癒合前に生じており,遠位横止めスクリューに応力が集中して骨折を起こしたものと考えられた.歩行能力の低下した認知症患者は転倒リスクが高く,二次骨折は避けられない合併症の一つであると思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.187