骨シンチにて診断した大腿骨頸部不顕性骨折の1例

【目的】MRI禁忌であり骨シンチにて大腿骨頸部不顕性骨折を診断した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.【症例】85歳女性.1カ月前から左股関節周囲に疼痛を認め,疼痛が増強し歩行困難となったために当科を受診した.単純X線では明らかな骨傷は認めなかったが,大腿骨不顕性骨折を疑い入院とした.植込み型ペースメーカーを使用しておりMRI検査は行えなかった.断層撮影でも骨折は指摘出来ず,疼痛増強後5日目に骨シンチ検査を行い左大腿骨頸部に異常集積を認め,不顕性骨折と診断した.【考察】比較的少なくないとされている股関節周囲の不顕性骨折に対しては,MRI検査が感度・特異度共に100%と報告されて...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 809 - 811
Main Authors 土田, 徹, 池田, 天史, 宮崎, 真一, 川添, 泰弘, 落合, 和久, 原, 慎太郎, 湯上, 正樹, 大山, 哲寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.809

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Summary:【目的】MRI禁忌であり骨シンチにて大腿骨頸部不顕性骨折を診断した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.【症例】85歳女性.1カ月前から左股関節周囲に疼痛を認め,疼痛が増強し歩行困難となったために当科を受診した.単純X線では明らかな骨傷は認めなかったが,大腿骨不顕性骨折を疑い入院とした.植込み型ペースメーカーを使用しておりMRI検査は行えなかった.断層撮影でも骨折は指摘出来ず,疼痛増強後5日目に骨シンチ検査を行い左大腿骨頸部に異常集積を認め,不顕性骨折と診断した.【考察】比較的少なくないとされている股関節周囲の不顕性骨折に対しては,MRI検査が感度・特異度共に100%と報告されているが,本症例の様にMRI禁忌例では骨シンチによる診断が必要である.しかしながら,骨シンチは受傷後72時間以上の間隔をあけて使用することが推奨されており,その使用には注意が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.809