キーンベック病に対して有頭骨部分短縮骨切り術を行った1例

【はじめに】Ulnar plus varianceのキーンベック病に対して有頭骨部分短縮術の1例を経験したので報告する.【症例】56歳,男性.左手関節部に疼痛を認めたため前医受診,画像より左手キーンベック病と診断され,当院紹介となった.【所見】左手関節部の疼痛(VAS:80)を認め,握力は健側比の58%,掌屈30°/背屈40°と可動域の低下を認めた.X線写真ではulnar varianceは+2mm,Lichtman分類:Stage3Aであった.【手術】手関節背側3cmほどの小切開でDTJ screw miniを用いて短縮骨切術を行った.【後療法】術後4週間short arm cast固定を行...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 1; pp. 145 - 149
Main Authors 志波, 直人, 仲摩, 憲次郎, 白濵, 正博, 岡崎, 真悟, 吉田, 史郎, 松浦, 充洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.145

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Summary:【はじめに】Ulnar plus varianceのキーンベック病に対して有頭骨部分短縮術の1例を経験したので報告する.【症例】56歳,男性.左手関節部に疼痛を認めたため前医受診,画像より左手キーンベック病と診断され,当院紹介となった.【所見】左手関節部の疼痛(VAS:80)を認め,握力は健側比の58%,掌屈30°/背屈40°と可動域の低下を認めた.X線写真ではulnar varianceは+2mm,Lichtman分類:Stage3Aであった.【手術】手関節背側3cmほどの小切開でDTJ screw miniを用いて短縮骨切術を行った.【後療法】術後4週間short arm cast固定を行った.【結果】術後1年でVAS:10,可動域は掌屈75°/背屈80°,握力は健側比:81.7%に改善し,林業に復帰した.【考察】Plus variance症例に対して有頭骨部分短縮骨切り術を行い,月状骨の圧壊は認めたものの概ね良好な結果が得られた.しかし,本術式の適応と有頭骨を短縮させることにより一般的なサルベージである近位手根列切除が選択困難な問題点も示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.145