開放性距骨全脱臼の 1 例

「はじめに」距骨全脱臼は, 距骨に骨折を伴わず, 距腿関節を含めた距骨周囲の全ての関節が脱臼したもので, 距骨完全脱臼 距骨全周囲脱臼 距骨周囲脱臼とも言われている. われわれは, 足関節果部骨折 踵骨前方突起骨折を伴った開放性距骨全脱臼を経験した. 荷重開始時期の決定にHawkins' signが有用であった. 症例提示 症例:36歳, 女性, 事務員 主訴:右足部痛 家族歴 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:2002年6月14日, 乗用車を運転中に飛び出した動物を避けようとしてガードレールにぶっかり, 車が横転し受傷. 前医へ搬入時, 内果から足部内側に開放創があり, 単純X...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 1; pp. 116 - 118
Main Authors 土屋, 恒篤, 行田, 義仁, 小柴, 民子, 駿河, 保彰, 重盛, 廉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2005
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.54.116

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Summary:「はじめに」距骨全脱臼は, 距骨に骨折を伴わず, 距腿関節を含めた距骨周囲の全ての関節が脱臼したもので, 距骨完全脱臼 距骨全周囲脱臼 距骨周囲脱臼とも言われている. われわれは, 足関節果部骨折 踵骨前方突起骨折を伴った開放性距骨全脱臼を経験した. 荷重開始時期の決定にHawkins' signが有用であった. 症例提示 症例:36歳, 女性, 事務員 主訴:右足部痛 家族歴 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:2002年6月14日, 乗用車を運転中に飛び出した動物を避けようとしてガードレールにぶっかり, 車が横転し受傷. 前医へ搬入時, 内果から足部内側に開放創があり, 単純X線検査で距骨全脱臼を呈していた(図1). 徒手整復を試みるも不可能であったため, 創の一次縫合, 抗生剤静脈内投与を行い, 当院へ紹介となった. 転院後経過:緊急に脊椎麻酔下で創洗浄と整復固定を行なった. 開放創からの直視下での整復を要したが, 整復阻害因子となる腱の介在などは認めなかった. 整復位の保持が困難であったため, 下腿遠位内側から距腿関節と距踵関節を鋼線1本で固定した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.54.116