血管内悪性リンパ腫治療中に発生した脊椎多発骨壊死

悪性リンパ腫治療中に発生した脊椎多発骨壊死の稀な症例を経験したので報告する.【症例】60歳,男性.特に既往歴なく多発脳梗塞を発症.LDH上昇,Hb低下を認め,当院血液内科紹介となった.FDG-PET/CTで右上腕骨骨幹部に異常集積を認め,当科紹介となった.同部の骨生検で血管内悪性リンパ腫と診断され,化学療法開始となった.化学療法4コース目に腰痛を自覚したが,XP,MRIにて明らかな所見なく経過観察となった.化学療法8コース目に腰痛増悪し,XPで第2,3腰椎圧迫骨折を認めた.MRIでは胸椎~腰椎の多椎体にT1,T2で楔状にlowな領域を認め,骨生検にて骨壊死と診断した.【考察】脊椎骨壊死の原因と...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 2; pp. 347 - 349
Main Authors 住浦, 誠治, 武藤, 正記, 川上, 泰広, 長弘, 行雄, 山本, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2013
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.62.347

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Summary:悪性リンパ腫治療中に発生した脊椎多発骨壊死の稀な症例を経験したので報告する.【症例】60歳,男性.特に既往歴なく多発脳梗塞を発症.LDH上昇,Hb低下を認め,当院血液内科紹介となった.FDG-PET/CTで右上腕骨骨幹部に異常集積を認め,当科紹介となった.同部の骨生検で血管内悪性リンパ腫と診断され,化学療法開始となった.化学療法4コース目に腰痛を自覚したが,XP,MRIにて明らかな所見なく経過観察となった.化学療法8コース目に腰痛増悪し,XPで第2,3腰椎圧迫骨折を認めた.MRIでは胸椎~腰椎の多椎体にT1,T2で楔状にlowな領域を認め,骨生検にて骨壊死と診断した.【考察】脊椎骨壊死の原因として,血管内リンパ腫による多発梗塞,サイトカイン,ステロイド大量投与,化学療法など原因は多岐にわたると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.347