冷・温水負荷によるSEP振幅の減衰

本研究では冷水負荷が皮膚感覚に対してどのような影響を与えるのかを体性感覚誘発電位 (SEP) を指標として検討した.条件として, 冷水によって負荷を与える冷水条件 (以下C条件), 温水を呈示する温水条件 (以下H条件), および何の負荷も呈示しない無負荷条件 (以下N条件) を設定した.この3条件において右腕の前腕内側部に電気刺激を与え, 女子大学生15名のSEPを測定した.その結果, N26-P38間・N50-P62間の振幅はN条件よりもC・H条件のほうが小さかった.つまり, 冷水もしくは温水の呈示によってSEPの振幅の減少が認められた.このような結果は, 心理的な負荷が皮膚感覚に大きな影...

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Published in生理心理学と精神生理学 Vol. 20; no. 3; pp. 241 - 247
Main Authors 八木, 昭宏, 平尾, 直靖, 冨田, 紘子, 金森, 庸浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理心理学会 2002
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ISSN0289-2405
2185-551X
DOI10.5674/jjppp1983.20.241

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Summary:本研究では冷水負荷が皮膚感覚に対してどのような影響を与えるのかを体性感覚誘発電位 (SEP) を指標として検討した.条件として, 冷水によって負荷を与える冷水条件 (以下C条件), 温水を呈示する温水条件 (以下H条件), および何の負荷も呈示しない無負荷条件 (以下N条件) を設定した.この3条件において右腕の前腕内側部に電気刺激を与え, 女子大学生15名のSEPを測定した.その結果, N26-P38間・N50-P62間の振幅はN条件よりもC・H条件のほうが小さかった.つまり, 冷水もしくは温水の呈示によってSEPの振幅の減少が認められた.このような結果は, 心理的な負荷が皮膚感覚に大きな影響を及ぼすわけではなく, 何らかの負荷を皮膚に与えることが皮膚感覚に影響を及ぼしていることを示唆している.
ISSN:0289-2405
2185-551X
DOI:10.5674/jjppp1983.20.241