腹膜播種による腸閉塞に対する緩和手術成績と予後因子
目的:腹膜播種による悪性腸閉塞に対する緩和手術成績を検討し,予後因子を求める.方法:2006-2017年に当科で緩和手術を施行した58例を対象として,後方視学的に検討を加えた.各症例においてGlasgow Prognostic Score(GPS),Prognostic Nutrition Index,Neutrophil/ Lymphocyte Ratioを算出し,他の臨床因子とともに予後との関連を検討した.結果:短期成績は,食事再開率:84.5%,退院達成率:89.7%,術後合併症率:31.0%であった.Median Survival Time:5.1カ月で,術後に8週以上の化学療法を施行...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 6; pp. 1029 - 1035 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
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Summary: | 目的:腹膜播種による悪性腸閉塞に対する緩和手術成績を検討し,予後因子を求める.方法:2006-2017年に当科で緩和手術を施行した58例を対象として,後方視学的に検討を加えた.各症例においてGlasgow Prognostic Score(GPS),Prognostic Nutrition Index,Neutrophil/ Lymphocyte Ratioを算出し,他の臨床因子とともに予後との関連を検討した.結果:短期成績は,食事再開率:84.5%,退院達成率:89.7%,術後合併症率:31.0%であった.Median Survival Time:5.1カ月で,術後に8週以上の化学療法を施行した症例は,化学療法非施行例と比較して有意に予後良好であった.多変量解析では,性別,PS,腹水量,腸管閉塞部位数,GPSが予後因子として抽出された.結論:当科の緩和手術成績は過去の報告と比較して遜色のないものであった.PS:3以上,腹水が中等量以上,閉塞部位が2箇所以上,GPS:2の症例は予後不良であることが多く,緩和手術の適応は慎重に判断するべきである. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.1029 |