非触知乳癌の診断と病理所見

1980年から1998年までに発見された非触知乳癌170病巣 (167例) を, 発見と診断に最も有効であった検査所見に分類して組織像と比較検討した。 乳癌の発見・診断の契機は, マンモグラフィ微細石灰化像68病巣, 腫瘤像19病巣, 乳頭異常分泌55病巣, 超音波検査28病巣であった。超音波は1993年までは精密検査として施行されたために発見数は少ない。しかし, 初診時に行われるようになった1994年からの5年間では, 非触知乳癌発見例の43%が超音波で腫瘤像として捉えられ, 超音波が診断の契機となったのは27病巣で同時期の非触知乳癌の28%に相当した。 病理組織像は, 乳頭異常分泌と微細石...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 9; no. 1; pp. 103 - 110
Main Authors 中村, 裕子, 松永, 忠東, 小柳, 泰久, 中山, 俊, 藤井, 雅彦, 日馬, 幹弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 2000
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.9.103

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Summary:1980年から1998年までに発見された非触知乳癌170病巣 (167例) を, 発見と診断に最も有効であった検査所見に分類して組織像と比較検討した。 乳癌の発見・診断の契機は, マンモグラフィ微細石灰化像68病巣, 腫瘤像19病巣, 乳頭異常分泌55病巣, 超音波検査28病巣であった。超音波は1993年までは精密検査として施行されたために発見数は少ない。しかし, 初診時に行われるようになった1994年からの5年間では, 非触知乳癌発見例の43%が超音波で腫瘤像として捉えられ, 超音波が診断の契機となったのは27病巣で同時期の非触知乳癌の28%に相当した。 病理組織像は, 乳頭異常分泌と微細石灰化像発見群では非浸潤性乳管癌または浸潤性乳管癌でも乳管内成分優位型が多く, 腫瘤像 (マンモグラフィと超音波検査) での発見乳癌は間質浸潤を伴う癌が多かった。リンパ管侵襲を伴う乳癌は12病巣であるが, 超音波発見例に5病巣と最も多くみられた。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.9.103