衣服内空気循環が夏季暑熱環境下農作業時の体温調節反応に及ぼす影響
研究の目的は,夏季暑熱環境下における農作業において,衣服内空気循環が体温調節反応に及ぼす影響について検討することである.被験者は,健康な年齢 19 歳から 20 歳の男子大学生の 10 名を用い,60 分間の農作業を行った.被験者はエコファン群と作業着群の 2 群に分け,各群 5 名ずつとした.測定項目は,環境温度,体重,心拍数,エネルギー消費量,総発汗量,水分補給量,鼓膜温,口渇感,衣服内温度であった.暑熱環境下農作業時における衣服内温度の上昇量は,作業着群に比較してエコファン群で有意に低値を示した(p < 0.05).農作業時における平均心拍数は,作業着群に比較してエコファン群で有意...
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Published in | 日本生気象学会雑誌 Vol. 49; no. 2; pp. 83 - 92 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本生気象学会
2012
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Subjects | |
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Summary: | 研究の目的は,夏季暑熱環境下における農作業において,衣服内空気循環が体温調節反応に及ぼす影響について検討することである.被験者は,健康な年齢 19 歳から 20 歳の男子大学生の 10 名を用い,60 分間の農作業を行った.被験者はエコファン群と作業着群の 2 群に分け,各群 5 名ずつとした.測定項目は,環境温度,体重,心拍数,エネルギー消費量,総発汗量,水分補給量,鼓膜温,口渇感,衣服内温度であった.暑熱環境下農作業時における衣服内温度の上昇量は,作業着群に比較してエコファン群で有意に低値を示した(p < 0.05).農作業時における平均心拍数は,作業着群に比較してエコファン群で有意に低値を示した(p < 0.05).農作業時における鼓膜温の上昇量は,作業着群に比較してエコファン群で有意に低値を示した(p < 0.05).農作業時における総発汗量は,作業着群に比較してエコファン群で有意に低値を示した(p < 0.05).農作業時における水分補給量は,作業着群とエコファン群の間には有意差はみられなかった.農作業時における口渇感は,作業終了直後で作業着群に比較しエコファン群で有意に低値を示した(p < 0.05).これらの結果から,エコファンの着用は,暑熱環境下における農作業時および安全面の問題から軽装化などの処置が実施できない環境においても,熱中症予防対策に有効であることが認められた. |
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ISSN: | 0389-1313 1347-7617 |
DOI: | 10.11227/seikisho.49.83 |