仙骨嚢腫の治療経験
「はじめに」仙骨嚢腫は比較的稀な疾患とされており, また無症状に推移する例もありその病態や臨床的意義は不明な点が多い. 今回我々は, 症状を有し保存的加療に抵抗した6例に手術施行し良好な結果が得られたので, その病態および治療法について検討した. 対象 症例は1992年から2002年まで当教室で経験した6例で(男性1例, 女性5例)年令は24歳から62歳であった. 症状は仙骨部の痛みが3例, 両下肢のだるさを訴えた例は1例, 右下腿から足尖部にかけてのしびれが1例であった. 神経学的所見としては1例に排尿障害, 1例に左下腿から足尖部にかけての知覚低下, 1例に右小趾外転力低下, 足関節背屈力...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 1; pp. 5 - 8 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2004
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.53.5 |
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Summary: | 「はじめに」仙骨嚢腫は比較的稀な疾患とされており, また無症状に推移する例もありその病態や臨床的意義は不明な点が多い. 今回我々は, 症状を有し保存的加療に抵抗した6例に手術施行し良好な結果が得られたので, その病態および治療法について検討した. 対象 症例は1992年から2002年まで当教室で経験した6例で(男性1例, 女性5例)年令は24歳から62歳であった. 症状は仙骨部の痛みが3例, 両下肢のだるさを訴えた例は1例, 右下腿から足尖部にかけてのしびれが1例であった. 神経学的所見としては1例に排尿障害, 1例に左下腿から足尖部にかけての知覚低下, 1例に右小趾外転力低下, 足関節背屈力低下, アキレス腱反射の減弱が認められた. 全例単純レントゲン像では異常所見なく, MRI, 脊髄造影で硬膜内嚢腫と診断された. 保存的加療期間は2ヶ月から2年で, 症状軽快しないため手術施行した. 術式は嚢腫摘出後縫縮2例, 神経根剥離し嚢腫摘出した症例が3例, S2神経根結紮, 嚢腫摘出した例が1例であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.53.5 |