原発性シェーグレン症候群における血球異常の臨床的検討

シェーグレン症候群(SS)は外分泌腺の慢性炎症を主体とする自己免疫疾患であるが,多彩な腺外症状を呈す.血球異常の合併は稀ではないが,臨床上問題となることは少ない. 1989年から99年に外来受診した原発性SS 99人の血球異常を検討した.平均年齢は54.1歳,女性95人,男性4人.リンパ球減少35人(35.3%), 白血球減少26人(26.2%), 血小板減少7人(7.1%). 43人(43.4%)でいずれかの異常を認めた.リンパ球減少群では有意に関節症状が低率で,抗SS-A/B抗体陽性率が高かった.リンパ球減少群1例で多関節炎,全身倦怠感のためプレドニゾロン投与したが,他の症例は治療を必要と...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 124 - 128
Main Authors 長岡, 章平, 青木, 昭子, 上田, 敦久, 萩原, 恵里, 桶谷, 美香子, 石ヶ坪, 良明, 大田, 祥一, 出口, 治子, 松永, 敬一郎, 大久保, 忠信, 白井, 輝, 瀬沼, 昭子, 大野, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2000
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.23.124

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Summary:シェーグレン症候群(SS)は外分泌腺の慢性炎症を主体とする自己免疫疾患であるが,多彩な腺外症状を呈す.血球異常の合併は稀ではないが,臨床上問題となることは少ない. 1989年から99年に外来受診した原発性SS 99人の血球異常を検討した.平均年齢は54.1歳,女性95人,男性4人.リンパ球減少35人(35.3%), 白血球減少26人(26.2%), 血小板減少7人(7.1%). 43人(43.4%)でいずれかの異常を認めた.リンパ球減少群では有意に関節症状が低率で,抗SS-A/B抗体陽性率が高かった.リンパ球減少群1例で多関節炎,全身倦怠感のためプレドニゾロン投与したが,他の症例は治療を必要としなかった.血小板減少群は有意に低年齢で,男性の頻度が高く,発疹の頻度が高かった.また抗SS-B抗体,抗核抗体,リウマトイド因子陽性の頻度が有意に高かった.血小板減少群3例で特発性血小板減少症に準じた治療を要した.治療例は全例PA-IgG陽性,骨髄像正常であった.血小板減少は多クローン性B細胞活1生化を含む自己免疫機序によると考えた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.23.124