60歳以上に施行した寛骨臼回転骨切り術症例の短期成績

寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)は若年者の前期から初期股関節症に対しては良好な長期成績が報告されている.近年,より高齢の股関節症にも適応は拡大され,良好な成績が示されてきている.当科でのRAOの適応は50歳代までを一つの目安としているが,60歳代でも適応を限りRAOを施行している.本研究では,60歳以上のRAO症例について検討した.症例は60歳以上でRAOを施行した6例6関節であり,全例女性,手術時平均年令は61.3歳であった.平均経過観察期間は1年8ヵ月であった.術式は田川の原法に準じた.レントゲン評価として,CE角,AC角,AHI,関節裂隙幅,関節症進行度,骨頭扁平率,外転位での関節適合性...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 1; pp. 67 - 71
Main Authors 清家, 一郎, 渡邉, 弘之, 赤崎, 幸二, 相良, 孝昭, 瀬形, 建喜, 棚平, 健, 田村, 諭史, 畠, 邦晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.67

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Summary:寛骨臼回転骨切り術(以下RAO)は若年者の前期から初期股関節症に対しては良好な長期成績が報告されている.近年,より高齢の股関節症にも適応は拡大され,良好な成績が示されてきている.当科でのRAOの適応は50歳代までを一つの目安としているが,60歳代でも適応を限りRAOを施行している.本研究では,60歳以上のRAO症例について検討した.症例は60歳以上でRAOを施行した6例6関節であり,全例女性,手術時平均年令は61.3歳であった.平均経過観察期間は1年8ヵ月であった.術式は田川の原法に準じた.レントゲン評価として,CE角,AC角,AHI,関節裂隙幅,関節症進行度,骨頭扁平率,外転位での関節適合性を評価した.反対側の支持性を調査し,臨床的評価としてJOAスコアを調査した.60歳代でも,初期から進行前期股関節症で,骨頭が球形に近く,外転位での関節適合性が良好で,反対側に支持性を有するものに適応を限れば,RAOにより全例関節症の進展は防止されることが示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.67