中手骨頚部骨折に対する生体内吸収性骨接合材と鋼線によるハイブリッド固定法の小経験

中手骨頚部骨折に対する生体内吸収性骨接合材を用いた髄内固定法は,断端を骨外に長く出さないため皮膚の刺激症状や伸筋腱断裂,尺骨神経背側枝損傷などを来すリスクは低くなる.加えて,髄内の生体内吸収性骨接合材はいずれ吸収されるため,抜釘を必要とせず,2度手術を行わずに済むメリットは大きい.しかし,術後に転位を来したとする報告が少なくない.著者らは術後再転位を少なくするため,生体内吸収性骨接合材による髄内固定法に鋼線による横止め固定を一時的に加えるハイブリッド固定法を考案し,中手骨頚部骨折3例3手に対し手術を行った.術後可動域は良好であり,術後の短縮をほとんど認めず,術後合併症はなかった.ハイブリッド固...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 1; pp. 41 - 43
Main Authors 角田, 憲治, 田中, 博史, 浅見, 昭彦, 重松, 正森, 石井, 英樹, 坂井, 達弥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.41

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Summary:中手骨頚部骨折に対する生体内吸収性骨接合材を用いた髄内固定法は,断端を骨外に長く出さないため皮膚の刺激症状や伸筋腱断裂,尺骨神経背側枝損傷などを来すリスクは低くなる.加えて,髄内の生体内吸収性骨接合材はいずれ吸収されるため,抜釘を必要とせず,2度手術を行わずに済むメリットは大きい.しかし,術後に転位を来したとする報告が少なくない.著者らは術後再転位を少なくするため,生体内吸収性骨接合材による髄内固定法に鋼線による横止め固定を一時的に加えるハイブリッド固定法を考案し,中手骨頚部骨折3例3手に対し手術を行った.術後可動域は良好であり,術後の短縮をほとんど認めず,術後合併症はなかった.ハイブリッド固定法は抜釘が不要で生体内吸収性骨接合材による髄内固定法と鋼線による横止め固定法のメリットを生かした手術法である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.41