遠位上腕二頭筋腱断裂の1例

【はじめに】本邦では報告の少ない遠位上腕二頭筋腱断裂の1例を経験し,手術により良好な結果を得たので報告する.【症例】41歳男性.ラグビーでタックルをした際,相手の膝が右前腕に当たり受傷した.受傷翌日の初診時,肘関節前方の疼痛および前腕回外,肘関節屈曲の筋力低下を認めた.またMRIで遠位上腕二頭筋腱断裂を認めた.手術は2皮切法で行い,Krachow法で腱に高強度糸を2本通し,pull-out法で橈骨粗面に修復した.術後3週間は肘関節90度屈曲,回外位でシーネ固定した.術後4ヵ月から段階的にコンタクトプレーを再開し,術後合併症や筋力低下,可動域制限などの問題なく術後6ヵ月で競技復帰した.【考察】本...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 1; pp. 51 - 53
Main Authors 森, 圭介, 崎村, 俊之, 依田, 周, 水光, 正裕, 根井, 吾郎, 矢部, 嘉浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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Summary:【はじめに】本邦では報告の少ない遠位上腕二頭筋腱断裂の1例を経験し,手術により良好な結果を得たので報告する.【症例】41歳男性.ラグビーでタックルをした際,相手の膝が右前腕に当たり受傷した.受傷翌日の初診時,肘関節前方の疼痛および前腕回外,肘関節屈曲の筋力低下を認めた.またMRIで遠位上腕二頭筋腱断裂を認めた.手術は2皮切法で行い,Krachow法で腱に高強度糸を2本通し,pull-out法で橈骨粗面に修復した.術後3週間は肘関節90度屈曲,回外位でシーネ固定した.術後4ヵ月から段階的にコンタクトプレーを再開し,術後合併症や筋力低下,可動域制限などの問題なく術後6ヵ月で競技復帰した.【考察】本症例に対する術式には1皮切法,2皮切法があり,それぞれに利点,欠点が報告されている.本症例では2皮切法を行い良好な結果が得られた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.51