大腸手術における術前腸管処置のエビデンスと日本の現状

本邦における大腸手術後の手術部位感染(surgical site infection:SSI)発生率は年々減少傾向ではあるものの依然高比率であり,改善すべき問題である。SSI予防のための大腸術前腸管処置のエビデンスは,本邦を含めた世界各国のガイドラインに求めることができる。主要ガイドラインをまとめると,機械的腸管処置(mechanical bowel preparation:MBP)と化学的腸管処置(oral antibiotics bowel preparation:OABP)の併用が推奨され,MBPのみを行うことは推奨されていない。しかし,本邦の現状は,MBPとOABPの併用を行っている施...

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Published in日本外科感染症学会雑誌 Vol. 16; no. 4; pp. 222 - 225
Main Authors 板谷, 喜朗, 稲本, 将, 肥田, 侯矢, 河田, 健二, 花田, 圭太, 坂井, 義治, 水野, 礼
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外科感染症学会 31.08.2019
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ISSN1349-5755
2434-0103
DOI10.24679/gekakansen.16.4_222

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Summary:本邦における大腸手術後の手術部位感染(surgical site infection:SSI)発生率は年々減少傾向ではあるものの依然高比率であり,改善すべき問題である。SSI予防のための大腸術前腸管処置のエビデンスは,本邦を含めた世界各国のガイドラインに求めることができる。主要ガイドラインをまとめると,機械的腸管処置(mechanical bowel preparation:MBP)と化学的腸管処置(oral antibiotics bowel preparation:OABP)の併用が推奨され,MBPのみを行うことは推奨されていない。しかし,本邦の現状は,MBPとOABPの併用を行っている施設は少数で,MBPのみを行っている施設が多数であり,ガイドラインの普及率は低い。
ISSN:1349-5755
2434-0103
DOI:10.24679/gekakansen.16.4_222