Maximal Anaerobic Running Testによる十種競技者の走能力評価

本研究の目的は, 十種競技者を対象に間欠的な漸増負荷走行テスト (MART) を行い, La動態と走能力との関係を検討することであった. 結果の要約を以下に示す. (1) V400m, V1500mおよびTPRとVmaxとの間にそれぞれ有意な正の相関関係が認められた. また, V400mとPBLaとの間に有意な正の相関関係が認められた. (2) 十種競技者の走能力 (V100m, V400m, V1500m, TPR) は, VRLaとの間にVALaよりも高い有意な正の相関関係が認められた. (3) VRLaは, 無気的能力の向上 (最大下のLa濃度およびPBLaの増加) によるLa動態の変化...

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Published in体育学研究 Vol. 51; no. 2; pp. 117 - 124
Main Authors 森丘, 保典, 持田, 尚, 伊藤, 静夫, 青野, 博, 内丸, 仁, 雨宮, 輝也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2006
日本体育学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.51.117

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Summary:本研究の目的は, 十種競技者を対象に間欠的な漸増負荷走行テスト (MART) を行い, La動態と走能力との関係を検討することであった. 結果の要約を以下に示す. (1) V400m, V1500mおよびTPRとVmaxとの間にそれぞれ有意な正の相関関係が認められた. また, V400mとPBLaとの間に有意な正の相関関係が認められた. (2) 十種競技者の走能力 (V100m, V400m, V1500m, TPR) は, VRLaとの間にVALaよりも高い有意な正の相関関係が認められた. (3) VRLaは, 無気的能力の向上 (最大下のLa濃度およびPBLaの増加) によるLa動態の変化を, トレーニング効果として評価することができた. 以上のことから, MARTが十種競技者の走能力を反映したテストであること, また, PBLaおよびVRLa (V20%La, V40%La, V60%La) が, 個々の競技者の生理的特性やトレーニングによる無気的能力の変化を考慮した, 十種競技者の走能力評価の指標として利用可能であることなどが示された.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.51.117