補聴器適合検査のための雑音負荷時の語音明瞭度の検討

雑音負荷時の語音明瞭度検査の測定が, 補聴器適合検査の指針 (2008) で提案されている。今回, 雑音負荷が補聴器非装用・装用時の難聴者の言葉の聞き取りにどの程度影響があり, 指針が妥当であるか検討した。対象は16名の難聴者で, 検査音は57-S語表を用い65dBSPLと最も高い明瞭度が得られる音圧 (dB max) で, 雑音はスピーチノイズを用いS/N比が+10dBとなるように呈示し, 補聴器非装用・装用時の雑音非負荷時と雑音負荷時の語音明瞭度を比較した。結果, 難聴者は補聴器非装用・装用時に関わらず, 雑音負荷によって明瞭度が低下した。低下の程度に個人差が認められ, 補聴器適合状態に問...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 54; no. 2; pp. 147 - 152
Main Authors 齋藤, 修, 西村, 忠己, 吉田, 悠加, 福田, 芙美, 柳井, 修一, 細井, 裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2011
日本聴覚医学会
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Summary:雑音負荷時の語音明瞭度検査の測定が, 補聴器適合検査の指針 (2008) で提案されている。今回, 雑音負荷が補聴器非装用・装用時の難聴者の言葉の聞き取りにどの程度影響があり, 指針が妥当であるか検討した。対象は16名の難聴者で, 検査音は57-S語表を用い65dBSPLと最も高い明瞭度が得られる音圧 (dB max) で, 雑音はスピーチノイズを用いS/N比が+10dBとなるように呈示し, 補聴器非装用・装用時の雑音非負荷時と雑音負荷時の語音明瞭度を比較した。結果, 難聴者は補聴器非装用・装用時に関わらず, 雑音負荷によって明瞭度が低下した。低下の程度に個人差が認められ, 補聴器適合状態に問題のないと思われる症例でも65dBSPLで12~22%の低下を認めた。dB maxでは非装用・装用時で明瞭度の低下に差を認めなかった。今後, 雑音負荷時の語音明瞭度の測定にはさらなる検討が必要である。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.54.147