TKA術後マニプレーション時の鎮痛,可動域改善目的としての硬膜外麻酔と内転筋管ブロックの比較検討

【背景】TKA術後の屈曲制限に対して早期のマニプレーションは有効であるが,その際の疼痛が課題である.TKA術後鎮痛には硬膜外麻酔(以下EA)や内転筋管ブロック(以下ACB)が有効とされる.今回,当院で行った術後マニプレーション時の鎮痛,可動域改善目的としてEAとACBを比較・検討した.【対象と方法】2020年4月から2022年1月まで当院で初回TKA施行された患者87名を対象に術後7日目にEA下,8日目にACB下にマニプレーションを実施し,実施前後の可動域,疼痛をそれぞれ比較した.【結果】EA実施後に可動域の改善を認め,ACB実施後も可動域の改善を認めた.EAとACB間では実施後における可動域...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 2; pp. 209 - 211
Main Authors 高橋, 祐介, 徳永, 修, 黒石, 聖, 島内, 卓, 酒井, 隆士郎, 野口, 康男, 巣山, みどり, 江口, 正雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.209

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Summary:【背景】TKA術後の屈曲制限に対して早期のマニプレーションは有効であるが,その際の疼痛が課題である.TKA術後鎮痛には硬膜外麻酔(以下EA)や内転筋管ブロック(以下ACB)が有効とされる.今回,当院で行った術後マニプレーション時の鎮痛,可動域改善目的としてEAとACBを比較・検討した.【対象と方法】2020年4月から2022年1月まで当院で初回TKA施行された患者87名を対象に術後7日目にEA下,8日目にACB下にマニプレーションを実施し,実施前後の可動域,疼痛をそれぞれ比較した.【結果】EA実施後に可動域の改善を認め,ACB実施後も可動域の改善を認めた.EAとACB間では実施後における可動域改善には有意差を認めなかった.NRSによる評価ではEA実施後には疼痛改善を認めたが,ACB実施後の疼痛改善を認めなかった.EAとACBの比較では患者満足度はほぼ同数(28対25)だった.ACBはマニプレーション時の可動域改善目的として有用であることが示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.209