化膿性脊椎炎症例の検討

【はじめに】当院の化膿性脊椎炎症例について調査したので報告する.【対象・方法】化膿性脊椎炎の診断で入院加療を行った48例を対象とした.男性28例,女性20例,平均年齢74.4歳,平均経過観察期間は217日であった.基礎疾患の有無,罹患部位,起炎菌,検査(血液・椎間板培養,心エコー,造影CT),合併症,転機等を調査した.【結果および考察】基礎疾患は糖尿病22例,心血管疾患12例,血液透析9例であった.起炎菌はMSSA 7例が最も多く,60.4%で同定できた.罹患部位は頚椎3例,胸椎14例,腰椎31例であった.血液培養42例,椎間板培養26例,心エコー27例,胸腹部造影CT検査16例が施行されてい...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 1; pp. 58 - 61
Main Authors 櫻井, 立太, 中村, 哲郎, 坂井, 崇一郎, 松口, 俊央, 畑中, 敬之, 伊藤田, 慶, 河野, 裕介, 土持, 兼信, 岩崎, 賢優, 土屋, 邦喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2022
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Summary:【はじめに】当院の化膿性脊椎炎症例について調査したので報告する.【対象・方法】化膿性脊椎炎の診断で入院加療を行った48例を対象とした.男性28例,女性20例,平均年齢74.4歳,平均経過観察期間は217日であった.基礎疾患の有無,罹患部位,起炎菌,検査(血液・椎間板培養,心エコー,造影CT),合併症,転機等を調査した.【結果および考察】基礎疾患は糖尿病22例,心血管疾患12例,血液透析9例であった.起炎菌はMSSA 7例が最も多く,60.4%で同定できた.罹患部位は頚椎3例,胸椎14例,腰椎31例であった.血液培養42例,椎間板培養26例,心エコー27例,胸腹部造影CT検査16例が施行されていた.抗菌薬投与期間は平均96日であり,44例が軽快し,内科疾患の増悪等により4例が死亡退院となった.化膿性脊椎炎治療は菌の同定,抗菌薬加療であり,感染性心内膜炎や多発膿瘍などの合併症評価も重要である.主治医による差をなくし,系統的な治療を行う必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.58