運動器疾患に対する回復期リハビリテーションにおいて転院治療を必要とした運動器急性疾患と診断に有用であった検査

回復期リハにおいて,リハに影響を与える急性疾患が生じることがある.今回,転院治療を必要とした運動器急性疾患の診断に有用であった検査を検討し,症例を呈示した.平成25年から令和1年に,当院回復期リハ病棟に入院した運動器疾患患者で,入院中に発症した運動器急性疾患の治療のため転院した患者31名を対象とした.転院を必要とした運動器疾患の最多は下肢静脈血栓症8名であった.化膿性脊椎炎および胸髄髄膜腫がそれぞれ1名であった.当院では診断困難で症状(疼痛)のみの転院は1名であった.診断に有用であった検査は,総数31名のうち,単純X線検査16名,血液検査11名で,両者の合計27名が総数に占める割合は87.1%...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 4; pp. 707 - 712
Main Authors 西村, 博行, 浦上, 泰成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2021
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.70.707

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Summary:回復期リハにおいて,リハに影響を与える急性疾患が生じることがある.今回,転院治療を必要とした運動器急性疾患の診断に有用であった検査を検討し,症例を呈示した.平成25年から令和1年に,当院回復期リハ病棟に入院した運動器疾患患者で,入院中に発症した運動器急性疾患の治療のため転院した患者31名を対象とした.転院を必要とした運動器疾患の最多は下肢静脈血栓症8名であった.化膿性脊椎炎および胸髄髄膜腫がそれぞれ1名であった.当院では診断困難で症状(疼痛)のみの転院は1名であった.診断に有用であった検査は,総数31名のうち,単純X線検査16名,血液検査11名で,両者の合計27名が総数に占める割合は87.1%であった.転院が必要な運動器急性疾患の約9割が単純X線検査と血液検査で診断されたが,化膿性脊椎炎と胸髄髄膜腫の診断にはMRIが有用であった.頸椎脱臼,化膿性脊椎炎および胸髄髄膜腫の3症例を呈示した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.70.707