男子バレーボール選手に生じた上腕骨骨幹部疲労骨折の一例

稀な上腕骨疲労骨折を経験したので報告する.健康な13歳男性.バレーボール部.利き腕は右利きで,ポジションはレフトポジションでエースアタッカー.14歳時に右橈骨遠位端離開の後に,手関節可動域制限を認めるも,バレーボールの練習を開始.15歳時に右手関節に疼痛が出現し,右橈骨骨端の早期閉鎖を認めた.同時期に右上腕骨近位1/3に疼痛の訴えがあったため,X線を施行.同部位に仮骨形成を認められたため,MRIを行い,皮質骨の異常信号を認めた.以上より上腕骨近位骨幹部の疲労骨折と診断した.本症例は手関節可動域制限下でのバレーボール運動により代償的に上腕骨に負担が生じ,上腕骨の疲労骨折に至ったと考えられた.関節...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 572 - 574
Main Authors 田口, 憲士, 明島, 直也, 尾﨑, 誠, 福島, 達也, 宮本, 俊之, 土居, 満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.67.572

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Summary:稀な上腕骨疲労骨折を経験したので報告する.健康な13歳男性.バレーボール部.利き腕は右利きで,ポジションはレフトポジションでエースアタッカー.14歳時に右橈骨遠位端離開の後に,手関節可動域制限を認めるも,バレーボールの練習を開始.15歳時に右手関節に疼痛が出現し,右橈骨骨端の早期閉鎖を認めた.同時期に右上腕骨近位1/3に疼痛の訴えがあったため,X線を施行.同部位に仮骨形成を認められたため,MRIを行い,皮質骨の異常信号を認めた.以上より上腕骨近位骨幹部の疲労骨折と診断した.本症例は手関節可動域制限下でのバレーボール運動により代償的に上腕骨に負担が生じ,上腕骨の疲労骨折に至ったと考えられた.関節可動域制限下での反復するスパイク運動のような投球類似動作は上肢で他部位の疲労骨折を起こす可能性があることを念頭におく必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.572