アキレス腱断裂の術後早期リハビリテーション

【要旨】当院ではアキレス腱断裂に対し主に手術治療を行っているが,術中に足関節を0度まで背屈させ再断裂がないことを確認し,術後は外固定を行わず1日目より自動運動を許可している.2日目より補高装具を使用して50%荷重歩行,9日目より全荷重歩行を開始している.装具はシーネを4~5重に折り重ねただけの簡便な補高を使用しているが,これを5日ごとに漸減し21日目に終了,その後前足部に装着して歩行中の背屈強制を行っている.術後経過は良好で,半年程度でほぼ満点となっている.断裂腱の治癒に関する研究では免荷や固定不動化を行うよりも腱に負荷をかけるほうが組織学的にも臨床的にも成績がよく,また再断裂の原因は長期間の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 628 - 632
Main Author 土肥, 有二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.628

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Summary:【要旨】当院ではアキレス腱断裂に対し主に手術治療を行っているが,術中に足関節を0度まで背屈させ再断裂がないことを確認し,術後は外固定を行わず1日目より自動運動を許可している.2日目より補高装具を使用して50%荷重歩行,9日目より全荷重歩行を開始している.装具はシーネを4~5重に折り重ねただけの簡便な補高を使用しているが,これを5日ごとに漸減し21日目に終了,その後前足部に装着して歩行中の背屈強制を行っている.術後経過は良好で,半年程度でほぼ満点となっている.断裂腱の治癒に関する研究では免荷や固定不動化を行うよりも腱に負荷をかけるほうが組織学的にも臨床的にも成績がよく,また再断裂の原因は長期間の固定により弱化した腱への荷重負荷と固定角度の急激な変化とされている.本法は術後外固定を行わず軽い負荷を継続的に加えることで,早期に良好な機能回復が得られている.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.628