外傷性小指伸筋腱脱臼の1例

MP関節の伸筋腱脱臼は中指に多く,小指は比較的少ないと言われている.今回外傷性小指伸筋腱脱臼の1例を経験したので報告する.症例は36歳男性.拳を握った状態で転倒し,右MP関節を強打.屈伸時に弾発,痛みがあるとのことで紹介となった.右小指MP関節背側の腫脹,圧痛あり,MP関節屈曲時に伸筋腱の弾発,尺側偏位を認めた.以上より右小指伸筋腱脱臼と診断し,受傷後6日目に伝達麻酔下に手術を行った.術中所見では総指伸筋腱と小指固有伸筋腱(EDM)の腱間断裂を認め,MP関節を屈曲するとEDMが尺側偏位した.その間を縫着し弾発,伸筋腱尺側偏位は消失した.術後3週間は小指MP関節伸展位固定し,以後痛みに応じて可動...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 713 - 715
Main Authors 山本, 俊策, 牟田口, 滋, 二之宮, 謙一, 真島, 久, 佐々木, 大, 合志, 光平, 坂本, 悠磨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.713

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Summary:MP関節の伸筋腱脱臼は中指に多く,小指は比較的少ないと言われている.今回外傷性小指伸筋腱脱臼の1例を経験したので報告する.症例は36歳男性.拳を握った状態で転倒し,右MP関節を強打.屈伸時に弾発,痛みがあるとのことで紹介となった.右小指MP関節背側の腫脹,圧痛あり,MP関節屈曲時に伸筋腱の弾発,尺側偏位を認めた.以上より右小指伸筋腱脱臼と診断し,受傷後6日目に伝達麻酔下に手術を行った.術中所見では総指伸筋腱と小指固有伸筋腱(EDM)の腱間断裂を認め,MP関節を屈曲するとEDMが尺側偏位した.その間を縫着し弾発,伸筋腱尺側偏位は消失した.術後3週間は小指MP関節伸展位固定し,以後痛みに応じて可動域訓練を行った.術後3か月経過し,再脱臼,明らかな可動域制限を認めず,経過良好である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.713