内側開大型高位脛骨骨切り術に対するトラネキサム酸経静脈投与はヘモグロビン低下と下腿の腫脹を抑制する
【目的】内側開大型高位脛骨骨切り術(MOW-HTO)に対するトラネキサム酸(TXA)術後経静脈投与が出血抑制効果を有するか検討すること.【対象と方法】対象は2014年1月以降当院でMOW-HTOを施行した62膝.術中は駆血帯を使用し,ドレーンは留置していない.投与,1g投与,2g投与の3群について,患者背景,術後1週のヘモグロビン(Hb)変化量,周術期推定出血量,術後の下腿周径の変化を後ろ向きに調査した.【結果】患者背景に差はない.1g群と投与群のHb変化量に有意差はなかったが,2g群は投与群と比べHb低下が有意に少なかった.周術期推定出血量に3群間の有意差はなかったが,それぞれ181g,17...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 498 - 501 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2018
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.67.498 |
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Summary: | 【目的】内側開大型高位脛骨骨切り術(MOW-HTO)に対するトラネキサム酸(TXA)術後経静脈投与が出血抑制効果を有するか検討すること.【対象と方法】対象は2014年1月以降当院でMOW-HTOを施行した62膝.術中は駆血帯を使用し,ドレーンは留置していない.投与,1g投与,2g投与の3群について,患者背景,術後1週のヘモグロビン(Hb)変化量,周術期推定出血量,術後の下腿周径の変化を後ろ向きに調査した.【結果】患者背景に差はない.1g群と投与群のHb変化量に有意差はなかったが,2g群は投与群と比べHb低下が有意に少なかった.周術期推定出血量に3群間の有意差はなかったが,それぞれ181g,177g,126gと傾向は見られた.術後の下腿周径の変化量はHb同様1g群と投与群に有意差はなかったが,2g群は投与群と比べ腫脹が有意に少なかった.【結語】投与法,投与量については検討の余地があるが,MOW-HTOに対するTXA投与は有用と考えられる. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.67.498 |