特発性脊髄硬膜外血腫の小経験

『要旨』6例の特発性脊髄硬膜外血腫を経験した.6例とも後頸部から背部痛を認めた後に脊髄症状を認めたが,身体初見からは鑑別されず,画像検査にて確定診断(CT 4例,MRI 2例)となった.当院ではFrankel A・Bの重症例,経時悪化する症例を手術適応としており,3例保存加療,3例手術加療を行なった.保存加療の症例と,手術までの待機時間が24時間以内の2例の成績はFrankel Eで良好であったが,待機時間が24時間を超えた1例でFrankel D1と後遺症が残った.重症例,経時変化で悪化する症例だけでなく,経時変化で改善ない症例にも早期に手術を検討すべきである....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 592 - 594
Main Authors 川野, 啓介, 木戸, 義隆, 石原, 和明, 高橋, 巧, 栗原, 典近, 小薗, 敬洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.592

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Summary:『要旨』6例の特発性脊髄硬膜外血腫を経験した.6例とも後頸部から背部痛を認めた後に脊髄症状を認めたが,身体初見からは鑑別されず,画像検査にて確定診断(CT 4例,MRI 2例)となった.当院ではFrankel A・Bの重症例,経時悪化する症例を手術適応としており,3例保存加療,3例手術加療を行なった.保存加療の症例と,手術までの待機時間が24時間以内の2例の成績はFrankel Eで良好であったが,待機時間が24時間を超えた1例でFrankel D1と後遺症が残った.重症例,経時変化で悪化する症例だけでなく,経時変化で改善ない症例にも早期に手術を検討すべきである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.592