膝関節軽度屈曲位での外側傍膝蓋進入により髄内釘挿入を行った脛骨骨折3症例の治療経験

脛骨骨折に対する膝関節軽度屈曲位での外側傍膝蓋進入による髄内釘の挿入は,整復位の保持が容易という点で有用性が示唆されるが一般的な方法ではない.自験例より本法の有用性を確認し,注意点を知ることを目的とした.対象症例は2019年1月~2022年5月の期間に脛骨遠位部骨折を受傷し本法を施行した3例(AO分類42-A1,43-C1,43-A3各1例)とした.手術では膝蓋骨外側の支帯を一部切離し膝蓋骨の内側への可動性を得て,膝蓋靭帯の外側から関節外に脛骨前上端へ到達し髄内釘を挿入した.術後2週時の膝関節可動域は屈曲90-105°で3例とも膝前面痛はなく,追加治療を要する合併症は認めなかった.自験例は全例...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 722 - 725
Main Authors 松下, 優, 前, 隆男, 髙村, 優希, 平林, 健一, 林田, 光正, 眞島, 新, 小宮, 紀宏, 大森, 治希, 清水, 黎玖, 塚本, 伸章, 土居, 雄太, 馬場, 覚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.722

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Summary:脛骨骨折に対する膝関節軽度屈曲位での外側傍膝蓋進入による髄内釘の挿入は,整復位の保持が容易という点で有用性が示唆されるが一般的な方法ではない.自験例より本法の有用性を確認し,注意点を知ることを目的とした.対象症例は2019年1月~2022年5月の期間に脛骨遠位部骨折を受傷し本法を施行した3例(AO分類42-A1,43-C1,43-A3各1例)とした.手術では膝蓋骨外側の支帯を一部切離し膝蓋骨の内側への可動性を得て,膝蓋靭帯の外側から関節外に脛骨前上端へ到達し髄内釘を挿入した.術後2週時の膝関節可動域は屈曲90-105°で3例とも膝前面痛はなく,追加治療を要する合併症は認めなかった.自験例は全例良好な整復を得たが,3例中2例で髄内釘が外側設置となった.本法の手技には習熟を要し,特に挿入部が膝蓋骨により圧排されないよう留意すべきと考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.722